インフォメーション

2019-06-23 13:58:00

今日は、肝が極まった状態、”『肝火』や『肝風』を治すことで妊娠力を上げる!”を書こうと思ったのですが

 

つい先ほど相談に来られた方が、昨日の”肝→心”繋がりの悩みでしたので

急遽、その相談から考察~投薬の流れを書くことに変更して今日のブログをお届けします。

 

 

相談者との会話

薬局へ入るなり、「夫へのストレスなどでイライラする」と訴えてこられました。

 

頭の中:イライラだから肝鬱気滞~化火だな~。一応確認しよう。

 

私「イライラするってのは、怒りの感情としてですか?胸の辺りが胸苦しいだったりしますか?」

 

相談者「胸の辺りがイライラするの。」

 

私「頭のイライラではないってことですかね?動悸するとか胸苦しいって感じですね。」

 

相談者「そう。動悸したり、胸がイライラっと苦しい感じ。怒るとかではないんだよ」

 

頭の中:おー。やっぱり聞いて良かった。イライラに引っ張られるところだった。じゃあ肝~心、胃のことを聞いていこう。

 

私「その時胸の辺りが熱くなったりしますか?」

 

相談者「少しそんな感じがする」

 

私「胸の辺りが痛みがあることはないですか?」

 

相談者「痛みは感じないね」

 

・・・などと、心血虚、心陰虚、心(腎)陰虚火旺、心気虚、心火、痰火擾心、痰迷心藭、肝鬱気滞、肝鬱気逆、心陽虚、肺気虚、肺陰虚などを考えながら色々聞きました。

 

 

主訴とそれ以外の身体の状態

確認して良かったですが、主訴はストレスが溜まってイライラ怒りやすいのではなく、胸の不快感でした。

他の症状としては、睡眠状態に関しては眠れないことはないけども、連続睡眠時間は3~4時間と短いとのことでした。

 

胃腸はあまり強くはないが、胃炎などはなく、便秘症状があり、医師処方の下剤を飲んでもスッキリ出にくい状態でした。

 

声質は聴くからに甲高い声で、掠れているなどは見られませんでした。

 

身体は痩せていて、顔色は普通~やや白いくらいで、赤味が強いこともありませんでした。

 

会話している状態からも、健忘などの状態にも問題はありません。

 

ただ、耳は遠いようで、大きめにお話しても聞こえにくい時はあったようです。

 

院からも心臓のお薬が2つ出ており、また便秘のお薬と内服ステロイド剤が出ていました。

 

舌を見ると、苔が剥がれ鏡面舌で、裂紋(舌肉のひび割れ)も強く、また赤味がありました。

 

脈は強めに抑えると沈脈が弱く、また中位~浮位に張り出しているような脈でした。また、やや数(早いという意味)脈でした。

 

しきりに口の中をくちゃくちゃ言わせて渇いている仕草も見られました。

 

情報としてはこれくらいです。

 

 

考察

はじめ、イライラは”怒り”の意味かと思いましたが、問いただすと、悶々するような状態で胸苦しくて落ち着かない症状とのことで、やはり臨床での表現は人それぞれなので、しっかりと確認することの意義を再確認しました。


舌の状態やくちゃくちゃさせて口の中全体が渇いていることからも、陰虚の側面が強めに見られました。

 

身体全体の潤いが枯渇している状態です。

 

例えば便通が悪いことは、腸の熱を去って瀉下する状態ではなく、腸内の潤いを足していくと緩和する便秘の状態と考えられます。

 

耳の遠さも蝸牛に良い潤いがないために、聞こえが悪くなっています。

 

そして、主の訴えである胸苦しさについては心陰虚が主体で、また火旺を産んでいます。

 

 

 

そのポイントとしては、普段の心陰虚程度だとここに来なかったのに、最近の温かさやストレスの度合いによりそれが強くなったために

 

薬局に来るまでに至ったということ。

 

つまり耐え難い症状に強まっているということ。

 

また脈が陰虚にしては浮いてきていて浮位ではかなりの強さを感じたことです。

 

火旺になっていなければ、まだ我慢していたかもしれませんし、脈もこれほど浮いていなかったでしょう。

 

 

 

これらから、元々が肝(ストレス)→心の陰虚火旺による不快症状が起きていると判断し、身体のベースである陰虚には天王補心丹を、また陰虚に対しての虚火が常駐し、現時点ではその炎が強めであったと判断したため、急迫症状を緩和するために三黄瀉心湯を合わせて出しました。

 

急迫に対し、牛黄剤で散らすことも考えましたが、潤いと熱を抜くことを同時にすることでの解毒の方が根本的な解決に繋がると考え以上の処方としました。

 

このように肝への負担がスタートであっても、心への負担が強い場合は柴胡剤などの疎肝薬を使いません。

 

むしろ柴胡だと火を煽ったり、陰虚を助長する恐れすらあるので、使ってはいけない例です。

 

三黄瀉心湯はあくまでも現時点の急迫を緩和するためなので、後は天王補心丹のみで良いかと思います。

 

これが汗かきすぎて夏バテ、暑気あたりになったりするなら生脈散などで陰を補うでしょう。

 

 

 

昨日書くといった肝火・肝風は週明けの月曜日に書きます。

 

これからは土日は時間があればプライベートのことや、薬剤師観などを気分に合わせて書くと思います。