妊活の知恵倉庫
FSH含む妊活において重要なホルモン全般に関して昨日簡単に書きましたが、
妊活サポートをしている上で、FSHの値が高く、それが原因で妊娠率が低下・流産している例が多いので、
今回はFSHに特化して、より理解&イメージできるように説明し、また東洋医学でのアプローチ方法を書いていきます。
FSHの特性
FSHはGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)というホルモンが、下垂体に命令することで産生・放出されます。
(GnRHがすでに分かりにくいですね。名前はどうでも良いので、ホルモンの産生を指揮するリーダーがいるということは覚えておいてください。また、『FSHが脳から出ている』ことも押さえておきましょう。)
下垂体(脳)から放出されたFSHは卵巣に運ばれ、E2(エストロゲン・または女性ホルモン)という卵胞・卵子を育て、赤ちゃんのベッドである子宮内膜を整えるためのホルモンを放出するように卵巣に働きかけます。
(『脳から出て、卵巣に働きかける』ということがポイントです)
その流れに問題がないと、E2がどんどんと増えていきますが、卵や内膜が十分に成長したら、排卵する必要があります。
排卵時にはFSH→E2の働きは邪魔となるので、E2の濃度の高まりが脳に働きかけ、GnRH(ホルモンを調節するリーダー)にFSHの産生を抑えるように働きかけます。
これを一般にはネガティブフィードバックといい、ポジティブとネガティブのフィードバックがありますが、
ポジティブは「いけいけ~!もっとやれ~!」といった具合に、ホルモンの産生・放出を促します。
今回のようにネガティブは「もう大丈夫だよ~。落ち着いていこう。」と必要ないホルモンの産生・放出にブレーキをかけてくれます。
このように、正常であれば
GnRH↑(視床下部・脳)→FSH↑(下垂体・脳)→E2↑(卵巣)→GnRH↓→FSH↓・・・月経→GnRH↑→FSH↑・・・となり、
上記のような波を月経周期毎に繰り返します。
FSHの値が高い、低いなどを見る基準となる期間は、月経3~5日目のFSHの値です。
この時に3~15mIU/mlであると正常で、3以下だと低値、20以上だと高値と考えます。
この過程でFSHの低値が出る場合は、FSHを出す指示をするGnRHの異常が起こっているか、下垂体に異常があります。
これらは脳の機能の問題で、生まれつきの体質に原因があることが多いです。
FSHが高値の場合は、GnRH→FSHまでは問題ないのですが、FSH→E2の段階で不備が生じてしまっています。
先ほども書いたようにE2が高まるとネガティブフィードバック、つまりGnRHを抑えるのですが、
E2が低いままだと、GnRHとFSHは産生・放出し続けます。
すると、FSHが高値(20以上)の状態が産まれてしまいます。
イメージでいうとFSH(下垂体)が上司でE2(卵巣)が部下みたいなものなので、部下の働きが悪いとFSHは叱咤激励してきます。
それがしっかりと伝わると良いのですが、卵巣(E2)側が過剰なプレッシャーにより働きが落ちてしまうと、より上司が圧をかけてきます。
するとより卵巣(部下)の機能が落ち、FSH(上司)はさらに圧をかけ・・・とパワハラの悪循環を生むような形になってしまっているのがFSHの高値です。
『FSHの高値=卵巣機能の低下』と言われていますが、必ずしも卵巣側ばかりに問題があるのでなく、
下垂体の興奮異常による(上司の過剰なパワハラ)によって卵巣機能が上手く働かない場合もあります。
卵巣機能低下の原因
基本的な理由は2つ。「卵巣の疲れ」と「下垂体の異常興奮」です。
排卵や採卵するためにホルモン剤を立て続けに使用すると、卵巣が疲れてしまい、また疲れているのに脳は興奮してしまいます。
また、身体でも年齢を重ねるごとに体力の衰えを感じると思いますが、
卵巣年齢が高くなってしまうと、ホルモン剤を使用していなくてもFSHは自然と高くなってしまいます。
『卵巣年齢が高い=原子卵胞が少ない』ことで、FSHが30~100近い場合は閉経間近の可能性があります。
病院での不妊治療では、卵巣が疲れている場合には、休憩期間を設けるなどで卵巣機能を戻しますが、
卵巣年齢が高まった状態でのFSH高値に対しては、あまり何か処置できることはありません。
ホルモン剤で刺激を与えてしまうと、より卵巣が傷んでしまうためです。
そんな時は、自分の潜在力を引き出す漢方の力が絶大に効果を発揮します。
自然の力で卵巣機能を若返らせ、回復することで、FSHが落ち着き、妊娠率を上げることができます。
東洋医学でのFSH高値の状態考察
FSH高値が起こっている状態は、脳が興奮して機能の過剰亢進しているのに対し、生殖器は機能低下を起こしているということです。
東洋医学ではこの状態を”上実下虚”といいます。
まさに上司がパワハラ、部下がモチベーションダウンの状態ですね。
それを良い関係に戻すには、その問題が上司(下垂体の興奮)にあるのか、部下(卵巣の機能低下)にあるのかをしっかり考えることで
あなたの体質やその時の状態に合った漢方を合わせていきます。
下垂体の異常な興奮が軸となる場合、三黄瀉心湯や女神散などを使用して、脳の興奮を抑えることで卵巣機能を助けていきます。
また下垂体の異常はない(パワハラはない)けれど、卵巣機能が落ちている場合は、漢方の力で卵巣の機能を引き出す補腎薬である亀鹿仙や亀齢寿、場合によっては子羊袋・婦宝三膠・六味丸などを使用していきます。
また、日常的には脳の興奮を抑え、卵巣機能を回復するためには
睡眠をしっかり摂ること、また食事もリズム良く3食食べ、夜の食事は遅くなり過ぎないようにすること。
カフェインは脳の興奮を助長するので、控えめにすること。
甘いものも、適度では脳の興奮を発散しますが、習慣化すると逆に脳を興奮させてしまうので、頼り過ぎないようにすること。
などです。
ですが、この状態になると、良い睡眠が摂りたくてもなかなか寝付けないなどの状態を生んでしまうことがあります。
日常生活を見直すだけでFSH高値が落ち着かない場合、また日常生活以上に身体を整え、妊娠率を上げたい方は、専門家に漢方相談しましょう。
明日は同じようにFSHと同じく下垂体から出ているLHの異常(多嚢胞性卵巣症候群etc)について書いていきます。
同じ下垂体から出るものなのに、その影響は大きく違い、漢方処方も変わっていくので必見です。
余談
一般的に閉経周辺の女性は『更年期障害』などと括られ、ノボセ、火照り、動悸、ホットフラッシュ、感情の波の高まり、不眠、皮膚病などを様々な症状が発症しますが、この時にFSHは高まっています。
このノボセ、火照り、ホットフラッシュ、感情の波、動悸、不眠、皮膚病などは、西洋医学ではバラバラに感じても、東洋医学では繋がっていきます。
熱の発散場所が違うことで症状は違いますが、全て、身体に溜まった熱が悪さをしています。
のぼせ、火照り、ホットフラッシュは単純に暑さが極端に出る症状なので分かると思います。
特に熱は上に上りやすい性質があることと、上実下虚のために、上にばかり熱エネルギーが溜まり下に行かない状態が産まれます。
なので、このノボセ、火照りはあっても足元は冷たいことが多いです。
また動悸、不眠、パニックなどの感情の波は心熱が溜まってしまうためで、
皮膚病に出る人は皮膚表面に熱が発散されることで、湿疹などの炎症が起こってしまうのです。
更年期症状にも漢方はかなり有効です。
命の母なども良いとは思いますが、広く浅く構えた処方構成なので、
もっとピンポイントで体質に合った漢方を希望される場合は、専門家にご相談ください。
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