妊活の知恵倉庫
昨今のニュースや特集はコロナウイルス、そして明日でちょうど9年経つ東日本大震災ばかりですね。
そして、今はまさに卒業式シーズン。
しかし、コロナウイルスの感染拡大を懸念して日本政府の小中高の休校要請を受けた結果、卒業式が中止、もしくは規模を縮小するなど例年ではあり得ない事態へと発展しています。
卒業生たちは直接その影響を大きく受けますし、卒業生の親も卒業式を見て成長を感じるということも出来ず、当事者達には残念という言葉しか浮かびません。
しかしよく考えると、今年の中学卒業~高校受験の世代(2004~2005年生まれ)はもっと悲劇があるのです。
最初に「明日で東日本大震災から9年目」と書きましたが、9年前といえば、その子たちは幼稚園・保育園の卒園の年であり、小学校の入学の年でした。
9年前に卒園式も満足に出来なかった彼ら彼女らが、1度ならず2度までも式を迎えられずに卒業してしまっているのです。
”幼少期~青春時代の別れ”という一生に残り得る大イベントがなく卒業した2004~2005年生まれ(芦田愛菜ちゃん世代のようです)は、他の当たり前に卒業していった世代とは大きく違った大人になるのかもしれません。
私が思うこと
卒業式だけでなく、共働き家庭で小中高に子供を預けられないと仕事ができない人たちも多く、本当に胸が痛む事態が続いていますが、個人的には日本政府の判断には何も文句はありません。
もちろん当事者は文句なんてものじゃない感情があるとは思いますが、政府の判断には多くの人に不都合な思いをさせてまで、”守るもの”があると感じられるためです。
皆さんにとって何より大事なものとは何でしょうか。
仕事、学校、卒業式、家族、友人との別れ、旅行、経済、健康、勉強、遊び・・・
もちろんそれらは全て大事です。
ですが、それはやはり命あってのものです。
何より大事なものは、自分が生きてこそ大事なものだと思います。
命より他に大事なものが浮かんだ人は、「自分の命に危険はない」と思っているのかもしれません。
”歴史は繰り返す”、だから”歴史から学ぶ”
ここで過去のパンデミックについて振り返ってみましょう。
漢方の最古の教科書とも言える”傷寒論”が書かれるキッカケとなった”傷寒”や1918~1919年に大流行した”スペイン風邪(インフルエンザ)”は全世界での感染者は5億人以上、そして死亡者は5千万人以上でした。
また、日本でのスペイン風邪の感染者は2300万人、そして死者は44万人と言われ、当時の日本の総人口は5500万ほどなので、5人に2人は感染し、現在の日本の人口に置き換えると、感染者は5000万人、そして死者は100万人近いものとなる感染症がありました。
9年前の東日本大震災に関わる死者は間接や行方不明も合わせると2万2千人ほどで、比べるものでもないのですが、いかにスペイン風邪は脅威であったか感じることができるでしょう。
一方でコロナウイルスは3月10日発表のものでいうと
となっており、今回のコロナウイルスはスペイン風邪と比べるとまだまだ規模は小さいですが、中国や韓国、イタリアなどの局所で見ると、広まると一気に広まる力を持っており、死亡率もスペイン風邪に近いものがあります。
WHOや日本政府は、このスペイン風邪をなぞるようなことは決して起こらないように一つ一つの判断を行っています。
もちろん一定の批判は覚悟の上ですが、感染拡大もそうですが、少しでもパニックが起きないように判断するのはとても大変なことだと思います。
批判するのは簡単ですが、批判する方は人生に1度あるかないかの世界中を巻き込んだ災害が起こりつつあるという自覚はあるでしょうか。
大地震が起こるとわかっている地域で卒業式や人の集まるイベントを行わないように、感染拡大予防のために感染症が急激に拡大しやすい学校を休校した判断は、感染者が広がるリスクを少しでも下げる適切な判断だったと思います。
欲を言えば皆に卒業式に参加して欲しいですし、感染症の懸念なく不妊治療に通えれば良いですが、一人一人のその行動が世界中の死亡者数を増やすかもしれないと考えると、今は我慢の時です。
その一人の我慢が、皆の我慢が、いくつもの命を守る行動に繋がっているのです。
そして私もあなたも、今、当たり前に生きていますが、その当たり前の”生”に感謝しましょう。
妊活に携わる身なので、妊娠できると命の奇跡を感じやすいですが、新しい命であっても今もう存在する命もどちらも同じほどに大事だと思います。
”生”の感謝をしたから子宝に恵まれる、していないから恵まれないなどとスピリチュアル的なことを言うつもりはないですが、”生”に感謝していると子を授かった時に多くの愛情を注ぐことができると思いますし、何より人生が楽しくなるでしょう。
緊張感の途切れ(あとがき)
コロナウイルス自体よりも、マスクの枯渇、他紙製品の買い溜めなどがあり、つい最近までは異様に高まった緊張感がありました。
(ちなみに周りではトイレ紙やティッシュ、生理用ナプキン、エタノール消毒液etcの品ぞろえは回復しており、当店ではまだですがマスクも徐々に入ってきているようです。代わりに体温計が売り切れて問屋からも入らない)
集団パニックに近い状態を感じ、その時も少し危険を感じていましたが、今は逆の危険性を感じています。
経過の中でパンデミックをややコントロールできつつある日本の状況に緊張感の途切れを感じ、今は逆に気が緩んでいるようにも感じます。
「そんなに警戒する必要があるのか」
「いつまで続くのか」
そう思っている人が増えている印象です。
報道を見ていても、日本政府の対応に対しての報道者の質問が「いつになったら現状の自粛態勢は収まるのか」などと、まるで”政府が悪”で質問者は正義をかざしているように質問している方がいました。
ちょっと待てよと。
日本政府の判断に関しての賛否はそれぞれによると思いますが、政府が悪ではないことは確かです。
悪いのはコロナウイルスであり、それに乗じて民衆に別の意図を乗せて報道することは止めてもらいたい。
政府の判断よりも、それをどう報道するかで民衆は大きく左右されます。
トイレ紙やマスクでそれは身を持って体験したことでしょう。
報道次第で民衆はウイルス以上の災害を起こし得る自覚を持ってほしい。
また、「バラまいてやる」といって陽性反応が出てから出歩いた方もいるように、誰かの自分勝手な行動が、皆の努力を水の泡としてしまう可能性もあります。
この一人の異常行動も報道者の態度も、たった一人の行動でもあると思いますが、全体の緊張感の途切れを示す良い例だと思います。
しんどいですが、コロナウイルスとの闘いはまだまだ続くでしょう。
自分の身は自分で守ること、これが結果的に一人一人の力を集めてコロナウイルスをやっつけることに繋がるでしょう。
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