妊活の知恵倉庫
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四診での問診、切診、望診についてまとめましたので、今回は聞診をまとめて四診のまとめ最後と致します。
聞診
聞診は聞こえた内容でなく、声の特徴から情報を得る方法です。
声が小さい人は”元気がない”、逆に声が大きな人は”元気に満ちている”と感じ取れるように、聴覚から得られる情報を相談に活かしていきます。
思っているよりも人の声は心身の状態による影響を大きく受けます。
元気かどうか以外にも少しの緊張でも声はいつもより小さくなり、慣れた場だと声が大きくなるなども良く体験することでしょう。
これは声の元の宗気が大小となっているわけでなく、緊張による気鬱が声を大小させている要因ですが、このように気の変化の影響は声にすぐに現れます。
他にも声質では震え声やカスレ声、音が籠った声、イライラした声、疑い深い声、鼻をすする音などからも鼻づまりの状態や喉の潤い、感情、喉の状態などを考察することがあります。
また、声の大きさとは違う甲高い声や低い声質なども陰陽虚実などの参考とすることもあります。
言語が錯乱していたり、話のつじつまが合わない、独り言をぶつぶつと言っているなども参考にします。
そんなしゃべり方の人は妊活に関係ないように感じるかもしれませんが、妊活で心を傷めてしまい、話が繋がらなかったり独り言をつぶやく方は少なからずいます。
それらの時は心気虚、心血虚、心陽虚、心陰虚、心火、また瘀血や痰が心に影響するなどの”心”の病変であることが多いです。
また、声だけでなく粗い呼吸は”邪実壅肺”、呼吸が浅い場合は”肺気不足”を示します。
溜め息でも2種類あり、楽になる(発散)する感じのある溜め息は肝気鬱、また回数が多く疲弊しきっている溜め息は気虚がベースとなるなども聞き分けていきます。
他にもお腹が空いた時などに鳴るお腹の音、咳、ゲップ、しゃっくりなども音を参考に分けていきますが、心の病変と違い妊活に関係ないことが多いので割愛します。
匂いからの分析
”聞診”は『聞』としていますが、嗅覚情報の分析も含まれます。
例えば体臭、口臭などです。
排泄物や分泌物の匂いから分析することもありますが、さすがに相談においてそれらを参考にすることはありませんが、相談者から間接的に情報を得ることはあります。
「オリモノの匂いは無臭ではないですが、気になる強い匂いを感じますか?」などは聞いていると思います。
例えば生臭い匂いは痰熱壅肺などを考えたり、また鉄臭い場合は目で見えずとも漏血傾向を読み取ることもあります。
口臭が強い場合は胃熱や湿痰を意識し、口が酸っぱく感じる状態は胃酸が逆流しやすい気逆状態や、食べ物の匂いがずっとする場合は消化不良である脾虚や食傷なども考えていきます。
簡単な分類では臭いが強い場合は熱邪を、逆に臭いが少ないものは寒邪を意識していきます。
ですがもちろん口臭は食べたものによっての匂いの影響は大きい為、ニンニクやコーヒー、タバコの喫煙などの匂いの強い飲食物は上記とは関係しない一時的なもので体質とは関係ありませんので無視します。
四診の実情
個人的には四診を総合すると舌診が5割、問診4割、脈診0.5割、その他~くらいだと思います。
今回まとめた”聞診”を活かすこともありますが、声が小さい=虚などは他の相談情報からも得られることが多い為、そこまで重要視しません。
主訴が胃腸症状や口臭である場合は老廃物や口臭の匂いの情報を相談者本人経由で確認することはありますが、時に相談中で強い口臭が元で湿痰の存在が強いと気付くことはありますが妊活ではほとんど確認していません。
(時間を取った相談でなく、パッと立ち話程度でお薬を考える場合は声質はわりと最重要要素かもしれませんが)
ただし遠方での電話相談の場合は、問診や舌診は同等に出来ますが、顔を直接見たり動きや風体での情報は得られない為、声質からの印象はより重要となるでしょう。
どれに重きを置くかは人により様々でしょうし、もちろん私もですが、相談相手によってどれに色濃いサインが現れているかがバラバラである為、臨機応変にいろんなところから情報を得られるようには考えています。
四診おしまいでーす。
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