妊活の知恵倉庫
(この記事は文字量は約6分で読めますが、中医学に基づき難解な内容となっています)
腎
「腎は、生殖を司る」と言われています。
その生殖に関わる腎の働きを”衝任”と言い、『衝は”衝気”』、『任は”任脈”』を指します。
衝気の主な働きは”疏泄”、そして任脈の主な働きは”封蔵”です。
たった3文でも、中医学が身近でない人には意味が分からず、読むのを止めてしまうほどでしょう。
読むのを止めないでください
これらの意味が分かると、今までよりも自分の身体の声が聞こえるようになる、つまり妊娠力がUPしますので、理解できるようにわかりやすく説明します。
まず、妊娠するための臓器である子宮や卵巣のことを生殖器というように、それらの働きのことを”生殖機能”と言います。
これは現代医学でも同じでしょう。
東洋医学では、この生殖機能は2つからなると考えており、その一つが”衝気”そしてもう一つが”任脈”と名付けています。
(馴染みが無くて混乱するようであれば、AとBでも良いです)
その二つは五臓の内の腎の働きによるものであり、それらを総称して『衝任』と表現しているのです。
衝気と疏泄
『衝気は疏泄を行っている』を説明する上で、疏泄の意味を知っておかなければいけません。
疎・・・「ふさがったものを切り開いて通す」という意味があり、気(陽)・血・水・精など、身体を巡るべきものを巡らせる働きを指す言葉
(ただ巡らせる働きのみを持つのでなく、身体の状態は常に変化しているため、その時に応じて巡りを調節する意味合いも含む)
泄・・・「押し出す・出し去る」という意味があり、必要なくなったものを出してしまう働きを指す言葉
(排泄などで目にすることが多い為、要らなくなったものを出す意味合いはわかりやすいはず)
つまり、”疏泄”は気(陽)・血・水・精などの巡りを日中の活動時や睡眠時、月経期や排卵期・高温期などに合わせ調節し、また不必要になったものを押し出す働きを指します。
言葉の意味はそんなとこですが、実際に妊活においての役割が何かを知った方が早いでしょう。
妊活においての疏泄の主な働きは『ホルモン循環』と『月経』です。
皆が知っているホルモンはただ身体にあれば良いのではなく、脳の視床下部→脳下垂体→卵巣→子宮など、必要なところに十分に巡らないと妊娠力は上がっていきません。
血液検査でホルモン値は正常値なのに卵子や子宮内膜の状態が良くない場合はこれらに問題があるということです。
巡ってこそ本来のホルモンの働きが得られるため、疏泄の”疎”の力で巡らせる必要があります。
そして、妊娠できなかった場合、もしくは妊娠したけれど胎児の成長がストップしてしまった場合、次の妊娠に向けそれまでに成長した子宮環境をリセットするために排血します。
それが俗にいう”月経(生理)”であり、その働きは疏泄の”泄”の不要なものを押し出す機能により行われます。
衝気?疏泄?って何?ってとこだったと思いますが、ホルモンと生理のことを指していると考えると少しは身近に感じられたでしょうか。
なぜ説明したかというと、ホルモンが正常であっても妊娠できない場合、またはホルモンを薬で補っても妊娠できない場合はもっと深く考える必要がありますが、現代医学では原因不明としてそれ以上の考察はしません。
しかし、漢方ではそういった状態により深く原因究明し、妊娠力を上げる力があります。
同じように、生理の状態も現代医学では確認しないでしょう。
生理痛が強かろうが、痛み止めを出すだけで原因については考えない。
赤ちゃんのベッドであるはずの子宮内膜からの出血の血が黒かろうが塊があろうが関係ない。
それが正しいことなのかどうかは、今まで妊活してきたあなた自身が、そしてあなたの身体が知っていることだと思います。
同じように”任脈は封蔵”も同様に妊活する上でとても重要な事なので、説明していきます。
が、次回に続いてしまいます・・・
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