妊活の知恵倉庫
オリモノが少ない場合
オリモノが多くサラサラしている場合
西洋医学では卵管水腫の可能性があるオリモノの出方ですが、
東洋医学では体内に卵管水腫=湿邪と考え、また卵管水腫でなくても水の巡りが湿邪に阻まれている状態なので、
湿邪を除く漢方薬と飲食を見直すことで改善していきます。
湿邪の除き方は利水滲湿・燥湿・芳香化湿などの湿邪の性質に合わせた漢方薬を選んでいきます。
たかが水溜まり(湿邪)であっても、どうやってその水溜まりができたかによって使う方剤は変わってくるということです。
たまたま一時的に雨が大量に降って下水処理が間に合わず水が溜まったのであれば溜まった水をかき出すと良いでしょう。
しかし、下水場にごみが溜まっていてスムーズに排水処理ができない場合は、まず下水処理の場(リンパの流れ)を整えることが重要です。
また、身体の中でも濡れると良くない場所が湿邪により濡れてしまった場合、水は多くなくても乾かさなければいけません。
そんな時は乾かす漢方薬が必要です。
そのように同じ湿邪という括りであっても、去邪(悪いものを身体から追い出す)方法はその原因と体質に合わせていかなければいけません。
オリモノが多く粘質や匂いが強い場合
サラサラで多いオリモノは湿邪ですが、湿邪はリンパの巡りを停滞させる悪者となります。
すると流れるべき体温などのエネルギーがそこに溜まり化熱し、湿邪+熱→湿熱邪となり、
湿熱邪が発展すると、熱により水分が失われることで湿邪→痰邪となります。
喉が腫れて炎症が強い時に、喉の粘膜の潤いが濃くなって粘り気の強い痰となるように、
オリモノも粘っこく色濃く匂いが強くなるということです。
しかもこの痰邪は粘り気が強いことのイメージ通り、一度発展してしまうと症状の改善も頑固で治りは良くありません。
この時にサラサラオリモノの時に使用した去湿を目的とした利水剤を使用すると、
粘っこい痰邪がより水分を失い頑固にへばりつき巡りを悪化させてしまいます。
そんな時は袪痰剤を使用していきます。
痰邪であってもまだ水分がある痰邪の場合は半夏剤で乾かすことで痰を取っていくものもありますが、
失った水分を少し潤わせて取り除く軟堅散結の薬効のある複雑な方剤が必要になることもあります。
これも湿邪と同じで痰邪も質によって使用方剤が変わるというわけです。
フライパンにこびり付いた汚れや、排水溝のぬめりなどをイメージしましょう。
同じ汚れ(湿痰邪)でもその汚れの性質により使う洗剤によって汚れの取れ方が違い、
間違うと本体が傷ついてしまうことはわかるでしょう。
子宮や卵巣に汚れが付いているとそれが妊娠力を下げ、子宮頸がんリスクとなりますが、
その取り方も水毒だからイコール何でも水毒の薬は効く!といういうわけでもないのです。
万能の五苓散と聞くこともありますが、五苓散で邪が深くなる例もあるということです。
身体のお掃除は体内であり、粘膜に囲まれた場所ばかりなので、とてもデリケートです。
粘膜を考える時は目を考えてみましょう。
目は粘膜がむき出しでとてもデリケートということは想像しやすいことと思います。
特に頑固な痰邪の場合は、症状の動きも遅いですが、しっかりと地道に改善していかないと好転していきません。
また、単なる湿・痰邪だけでなく、湿熱・痰熱などの熱の度合いも絡むためより複雑です。
湿邪は元は水であり、陰陽の中でも陰邪にあたりますが、
熱邪は陽邪にあたり陰邪と陽邪は相反するもので、つまり湿熱はとても複雑です。
簡単に言えば冷えた性質の邪と熱い性質の邪が混ざり合っているため、
単純に温めたり冷やしたりすることが上手く働かず、温めつつ冷やすなどの薬効をもたらす部位による使い分けや
それぞれの量にも使い分けが必要でとても難しいです。
ですが、子宮頸がんリスクや妊娠率低下の大きな要因となってしまうので
オリモノの異常が見られる方は是非ご相談ください。