妊活の知恵倉庫
2020-09-04 20:00:00
(この記事は約4分で読めます。難解度★★)
妊娠するには卵子が受精可能になるまで成長しないといけません。
その為、不妊治療している場合、タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精のいずれであっても
卵子の成長や排卵を助けるホルモン剤、つまり卵巣に働きかけるお薬を使用することが一般的な不妊治療となっています。
それはホルモン値が正常で、問題なく自己排卵ができている人でも
ホルモン値が異常で自己排卵できない人と同じお薬を飲むことが一般的です。
(どっちにしても同じお薬を使うのであれば検査必要があるのか?という疑問はさておき)
ほとんどが、クロミッドで有名であるクロミフェンやレトロゾールを卵の成長と排卵の為に服用し、
またテープや膣錠、内服剤でエストロゲンを補い、また高温期に入るとデュファストンなどのプロゲステロン剤を服用しているでしょう。
その治療では、卵子が成長→排卵前を目途にタイミングや人工授精→排卵
妊娠できなかったら生理が来て3日目以内にまた受診し、いつの間にか同じことの繰り返す負のスパイラルに入ってしまいます。
場合によってはこれを6周期ほど繰り返し、薬を変えて同じことを繰り返すか、ステップアップしていくでしょう。
卵巣はいつ休む?
婦人科に通いながらこちらに相談に来られる人の90%以上はこのような状態です。
これをお読みのあなたも、もしそのような状況なのであれば、一度ホルモン剤を使用していく上でのリスクを考えましょう。
ホルモン剤は、上に書いたように、卵の成長を促す目的で服用することが主です(内膜に向けたものもありますが)。
卵の成長を担っているのは”卵巣”であり、卵巣に頑張って卵子を成長させるように働きかけるのです。
ホルモン剤を使用すると、自然な卵巣の働きよりも卵巣の働きを無理矢理強め、
卵巣機能に余裕があれば妊娠力が高まりますが、
卵巣がいっぱいいっぱいの時は卵は育っても質が低下してしまいます。
繰り返す中で機能がより低下してしまっている時は、
ムチを打って働かせるように無理やりにでも卵子の成長を促す形になります。
極端な例では、体外受精時に高刺激を与えると卵子が育ちすぎて卵巣が膨れ上がる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という状態になることもあります。
ここまでいかずとも、排卵を促すお薬が卵巣を酷使させてしまうということです。
ですが、現代医学では腫れ(OHSS)までいかなければ卵巣機能が落ちていても大丈夫!というように
卵巣機能が落ちるほどに卵巣への刺激する薬を強めていきます。
そうなってくると、排卵誘発剤を使用しないと自己排卵できなくなったり、
低温期の期間が長くなり、卵子の成長が遅れるようになってきます。
そうなると焦りは強まり、排卵誘発剤を使わないと!という心理状態になりますが、
本来は自己排卵ができていたものが、薬を使わないと排卵できない状態になってしまっており、
「治療しているのに妊娠する身体から遠ざかっている」ということも少なくありません。
目先を追い過ぎて逆に目的が遠ざかってしまっているのです。
それからも休みなく排卵誘発剤を使うことは、それ以上の卵巣の負担となり、妊娠力低下につながる可能性もあるのです。
今一度考えてみてください。
不妊治療中のあなたは、赤ちゃんが早く欲しいあまりに卵巣をブラック企業の様に休みなしに働かせていませんか?
焦りがある。だからこそ、休憩を大切にする
自分だったら、と考えてみてください。
仕事を終えても新しい仕事を押し付けられ、休みなくずっと働き続ける職場
職場仲間も含め十分に休みを摂ることで、やる時のパフォーマンスを上げられる職場
どんな働き方が望みますか?
妊活においては自分はブラック企業を嫌がるのに自分の卵巣にはそんな働きを強いていることに気付いていない方が多いです。
妊娠したい!だからこそ・・・
次回に続きます。