
妊活の知恵倉庫
2020-12-25 19:20:00
(この記事は約5分で読めます。難解度★★★★★)
感染症じゃないのに体温が高い!原因不明の微熱!シリーズ
の続き、内因においての臓腑原因での実熱の最後、胃熱についてまとめていきます。
胃熱の生まれ方
胃熱はイメージしているように胃が熱を持っている状態ですが
ここでは胃だけでなく、腸も熱を持っていることも含ませていただきます。
まず、人は何を基にして体温を生じているかというとやはり食べ物です。
ですが、食べ物が直接身体を温めるのでなく
食べ物と酸素が燃焼することで熱が産まれます。
この燃焼を効率良く起こす方法は”運動”です。
運動はすればするほど痩せたり疲れたりするように
身体にある栄養をエネルギーに変えることで消耗します。
この時に運動エネルギーにも替えられますが
熱エネルギーにも変わることで運動中は体温が上昇します。
なぜ胃熱の話なのに運動に脱線したのかというと、
胃腸、特に腸は、目にこそ見えませんが凄く動く臓器です。
腸はヒダ状になっており、
広げるとテニスコート1面分と言われるほど広い面積を持ちますが
これがグニョングニョンに動いて食べ物を運びます。
この動きはとても活発で、気が付かない中でも大きなエネルギーを生み
つまり熱も産生します。
食事中に体温が上がったり、
汗をかく人がいるのはそういう理由があります。
この胃腸が動いたことで発生した熱が
胃腸が汚れているなどで滞るとどうでしょうか。
胃腸に熱が溜まってしまいます。
これが”胃熱(腸胃の熱)”というわけです。
胃熱の原因
原因の多くは食事にあります。
腸胃に熱を生みやすい食べ物は
味濃いものや脂濃いもの、辛い物、お酒などが代表的です。また、食事内容に関わらず、多く食べ過ぎたり、早食いする
また、モチやコーヒーの摂りすぎも腸胃の熱を籠らせることに繋がります。
また、胃に熱があるからと、単純に冷たい飲み物を摂ることが良いわけではありません。
冷たい飲み物は、例えば急に冷水に飛び込むようなもので
胃腸の粘膜は皮膚もなくより過敏な状態なため、急な冷えに強張ってしまいます。
強張りは巡りの悪さを産み、結果として熱を籠らせてしまうこともあります。
熱があるから冷たいものを摂れば良いというほど単純ではないのです。
胃熱の見分け方
前回までの肝火、心火と胃熱の見分け方は
胃熱の場合の熱は持続性でないことが多く、
特におやつの時間の15時から夕方頃にかけて体温が高くなりやすい傾向にあります。
また、熱と共に吹き出すように汗をかくことも特徴的です。
胃を中心とした熱は過剰な空腹感や食べても満たされない、
口内炎や口角炎や舌炎などの口腔内の荒れ、強い口の中の渇き、
口周りのニキビなどの吹き出物、皮膚の脂っぽさなどが合わせて見られます。
その時は白虎湯加減で胃の熱を散じたり、
または蘆薈(ろかい)で胃の熱を便で外に出したりします。
また、腸熱の場合は便秘が基本で
下腹部全体に張った感覚・ガスが溜まりやすいなどの不快症状を伴います。
熱を緩和するには腸に溜まった宿便と共に腸熱を外に出してやると良いので
大黄剤が基本となります。
また腸の脂分が枯渇している場合は麻子仁などで潤わし
腸熱により燥屎(便)の水分量が蒸発している場合には芒硝を合わせていきます。
風邪などの感染症でも
高熱時に排便することで熱がグーッと引いていくように
気持ち良く熱が抜けていきます。
注意点
腸熱→便秘と書いていますが、
便秘=腸熱ではないことは注意しましょう。
特に便秘でコーラックなどの下剤を飲んだけれど腹痛が強かったなどの人は
腸熱でなく腸は冷えていることでの便秘の可能性が高いので注意です。
ということで肝胆・心・胃腸の熱は網羅したので
臓腑由来の実熱は以上となります。
このまま年越ししてしまうかもしれませんが、
実熱系では臓腑でなく血熱・湿熱&痰熱による発熱もまとめていきます。
んちゃ。