
妊活の知恵倉庫
2021-02-15 19:15:00
(この記事は約5分で読めます。難解度★★★)
上記事2つで何が何でも妊娠力を上げる!為に必要な子宮内膜の整え方をまとめたので
妊娠する為に子宮内膜よりも重要な”受精卵の質を高める方法”について書いていきます。
それは”卵子”と”精子”、それぞれの質を高めることです。
そんなの当たり前のことですが、
具体的にどうやって質を高めるかわからない方が多いでしょう。
それではまず”卵子”の質の高め方についてまとめていきます。
ステップアップしても流産率は変わらない
ステップアップしたら質も上がると思っている方は多いですが、
残念ながら、不妊治療をステップアップしても
卵子や精子の質を上げることは出来ません。
自然周期→タイミング→人工授精→体外受精→顕微授精
これらのステップアップにおいて高まるのは
”受精卵の質”ではなく、”精子と卵子が受精できる確率”です。
ホルモン剤を使用することで変わることは
卵子の質ではなく卵子の数であり、
人工授精や体外受精・顕微授精で変わることは
精子と卵子の物理的な距離です。
つまり、ステップアップすることで妊娠率は上がりますが
それぞれの質を上げないとその後の流産率などは変わらず、
授かった命を失ってしまうという天国から地獄の気分を味わってしまいます。
妊活は妊娠することがゴールではなく
出産することがゴールですので、
治療するだけでなく自分自身で赤ちゃんを受け入れ、
育む身体作りをしていくことが重要というわけです。
それは赤ちゃんのベッドである子宮内膜を整えるだけでなく
その前段階からの卵子・精子の染色体異常を起こさないことも重要となります。
卵子の質の高め方
血流(血液)の状態を整えることで子宮内膜の状態を改善しました。
一方で、卵子の質を高めるためには
①卵子に十分な栄養を与え、成長させること
②卵子をあらゆる刺激から守ること
この2つが軸となります。
それでは具体的にどのように栄養を与え、
そして守ると良いのでしょうか。
それを知る為に、まずは卵子のことについて良く知っておきましょう。
原始卵胞(卵子の卵)
赤ちゃんの卵である受精卵。
そして受精卵の卵である卵子。
そして卵子の卵であるものが原始卵胞です。
つまり、原始卵胞は生命誕生の源であり、
これが尽きた時が閉経というわけです。
その原始卵胞は、まだ産まれてもいない胎児5~6ヶ月頃に700万個ほど作られ、
それ以降に作られることはなく、減り続けていきます。
産まれる時にはすでにピーク時の1/3ほどの200万個まで減り、
さらに、初経が来る頃の10歳周辺では20~40万個ほどにまで減ってしまいます。
700万から20~40万となると、
650万ほどがとてももったいなく感じてしまいますが、
スタートラインが20~40万なのは皆同じです。
それが5万になろうが1万以下になろうが、
大事なのは1つの受精卵が出産まで辿り着くこと。
失われた数に囚われず、今ある卵1つ1つの質をいかに高めるか
ということが重要です。
つまり失われた卵を想うのでなく、今体内にある卵を想い、未来の赤ちゃんへ繋げるのです。
残りの卵子数を想定するものとしてはAMH(アンチミュラー管ホルモン)が有名で
AMHが低いことは残りの妊活期間が短いことを意味してしまいますが
質が低いこととの相関性はありません。
AMHの低値はショックだと思いますが、
数少ない原始卵胞達、そして時間を大事にしていく意識を持てると
幸せにたどり着く可能性もグッと上昇するでしょう。
原始卵胞から排卵に至るまで
月経が来てリセットされたらその周期に原始卵胞から排卵まで成長すると思っている方もいますが
実際には原始卵胞が排卵するまでには約180日ほどの期間を経て成長しています。
妊活している人はどうしてもその時その時の結果を追ってしまいがちで、
生理が来てから排卵するまでの2週間の成長にばかり目がいっている方が多いでしょう。
ですが実はその期間以外にも卵子にとっては大事な160日強の日数があり、
生理から排卵までの2週間は全体の卵子の成長の1/10の期間にしかすぎません。
身近な例に置き換えると、テスト前だけ一夜漬けして勉強するようなもので
一時的な力を発揮して妊娠に辿り着ける場合もあれば、
継続的な積み重ねが重要である妊活においては上手くいかない場合が多いです。
もちろん、私の相談経験でも月経が来てからの周期のみで妊娠した例はありますし、
意味がないと言っているわけではありません。
ですが、「新しいこと(運動や漢方など)を始めたけれど結果に繋がらない」と
半年も経たないうちに判断するのは時期尚早です。
ですので、なるべく早く良い卵子を育もう!と思って身体作りを始めた時
結果を求めるのはその周期や次の周期では早すぎるかもしれません。
なるべく早く赤ちゃんに出会いたい!
だからこそ、1周期ずつに振り回されず
先を見据える身体作りこそが”遠回り”のようで
あなたと赤ちゃんにとっての最短ルートとなるでしょう。
卵子の成長環境を整えるには・・・次回へ