妊娠9~12週目 胎芽から胎児へ ~それに伴う母体の変化~
2026年09月02日
妊娠8週目までは
その続きの9週目~11週目までの胎児と母親の変化についてまとめていきます。
目次
- 妊娠9週~12週 赤ちゃんの変化 ”胎芽”から”胎児”へ
- 妊娠9週~12週 母体の変化とそれに伴う症状
- 悪阻(つわり)
- 妊娠週数と出産予定日と母子手帳
- 9週~12週の過ごし方
- 9~12週目の漢方薬
- 病院で出される漢方薬
妊娠9週~12週 赤ちゃんの変化 ”胎芽”から”胎児”へ
8週目までにも心臓・脳・身体の各器官が徐々にでき、指も分かれてきていますが、9週からは鼻、唇、歯茎、目、耳などの顔の細かい部分も作られ、またそれらは一度20週目辺りに再び開くまで瞼(まぶた)や外耳、耳たぶ、唇などを形成する過程で閉じられます。
他にも性器、胃腸や他の内臓なども形成されていき、また中枢神経も発達していきます。
妊活で良く見かける”葉酸サプリ”はこの神経発達において重要であり、0週~12週辺りまでに葉酸を十分に摂っていると良いでしょう。
逆に言うとそれ以降の葉酸サプリの必要性は低いです。
胎児は体長約3~5cm、体重約20~40gとまだまだ小さいですが、羊水の中で少し動いたり、また羊水を飲んで排尿するなどの排泄するなど、行動できるようになってきます。
妊娠9週~12週 母体の変化とそれに伴う症状
赤ちゃんを育む空間である子宮は握りこぶし大ほどに拡張してきます。
子宮の拡張に伴い、下腹部の張り、腸や膀胱への圧迫で大便・小便への負荷となったり、
腰痛、足の痺れなどの症状を起こすこともあります。
ですが、見た目としてはまだまだお腹が出てくるなどの変化はほとんどありません。
また、産後のために乳腺なども発達することで、胸の張りなども感じやすくなる期間でもあります。
胎児の成長のために気・血を取られ、母の分が少なくなっている場合は、疲れやすさや貧血症状が出やすくなるでしょう。
悪阻(つわり)
この頃の母体に一番負担をかける症状といえば”悪阻(ツワリ)”です。
症状の軽重などの個人差はあれど、半数以上の方が妊娠初期にツワリ症状を体感します。
大体8~12,13週辺りにピークを迎え、安定期に入る16週頃にはツワリも治まっていることが多いです。
(ツワリに関しては様々なタイプやそれに合う漢方などありますので、それはいつかまとめるということで今回は省略します。)
子宮拡大に伴う下腹部や乳腺発達に伴う胸の張りは、子宮に影響しないように筋肉をほぐして緊張をほぐす漢方薬を、易疲労や貧血症状などが見られるなら、身体中の元気を補ったり、血を補っていきます。
もし万が一出血が続くようなら、脾の統血作用を強める補脾気するにより止血し、胎児を守っていきます。
便秘の場合には酸化マグネシウムで調整し、小便の不快症状は漢方で調整や身体を温めることで軽減していきます。
腰痛・痺れなどは活血剤を使わずに負担のかかっている部分への血流改善するような漢方薬で負担を軽減します。
また過剰な運動はダメですが、ずっと身体を動かさない状態は血行不良を増長し腰痛・痺れを強めてしまうので、普段通りの運動と、軽いストレッチは心がけるようにしましょう。
8~9週目が一つの”流産の壁”とも言われていますが、まだ胎盤はでききっておらず、不安定な状態は続きます。
下腹部の痛みや張りでもかなり強い張り症状、出血が見られるようなときは無理をせず、通院している病院に電話で状態を伝え、身体の状態を確認してもらうと良いと思います。
妊娠週数と出産予定日と母子手帳
妊娠してからの経過日数と身体の大きさに差異はあまり生じない為、この頃の身長や座高を基本に妊娠週数を最終決定します。
本来排卵期がズレていなければ調整の必要はないですが、大体の人が多少のズレがあるための調整となります。
これをもって出産予定日が決まります。
また、定期的な妊婦検診は11週目までが2週間隔ですが、12週目以降は4週間隔になることが多いです(病院によります)。
赤ちゃんが生まれてからとても重要になる母子手帳ですが、妊娠中の検診も無料で受けられたり(14回)、妊娠中の記録をつけるページもあります。
母子手帳を受け取る際に必要な書類は『妊娠届出書』・『マイナンバー』(無い場合は『マイナンバー通知カード』と『本人確認書類』)です。
心拍確認できましたら、身体に無理のない時に市役所などの指定の場所に受け取りに行きましょう。
9週~12週の過ごし方
悪阻などの辛い症状はありますが、それは赤ちゃんをお腹で育めている証拠でもありますし、悪阻があまり感じない場合は、身体に負担のない妊娠生活を謳歌できます。
どちらにしても、良い面を受け取り、気持ちの良い妊娠生活を送りましょう。
また母子手帳をもらったり、心拍を確認したり、出産予定日も決まってきます。
最中では不安が強いためにこの期間が長く感じられる方も多いですが、終わってみればその時しか感じられない症状も多い期間です。
妊活した成果が実ったばかりで色んな感情が入り乱れやすいですが、少しでも不安を楽しさに変えて、胎児を育てる母親に負担のかからないように過ごしてほしい期間ですので、漢方で赤ちゃんの無事や成長を守ると同時に楽しい妊娠ライフを送れるように、心のケアもお手伝いいたします。
9~12週目の漢方薬
流産予防の漢方薬
5~8週ほどではないですが、9~12週もかなり流産率が高い週数であるため、流産予防はとても大切です。
特に1度以上流産経験がある方や35歳以上だとなおさらです。
漢方薬としては
・補腎・安胎効果が高く流産予防となる「奶参」「子羊袋」
・”昇提”機能を高める「補中益気湯」「白朮散」
・血の漏れを防ぎ赤ちゃんを守る「芎帰膠艾湯」「帰脾湯」
などを中心に、状態に合わせ考えます。
流産予防効果が100%とは言えませんが、西洋薬では流産予防するお薬は今のところないため、漢方薬での安胎効果や昇堤効果、止血効果で胎児を守ると良いでしょう。
流産を繰り返してしまうことで当薬局へ漢方相談し、授かられた方の臨床例↓
病院では妊娠中に当帰芍薬散が出ることが多いですが、妊娠中のお腹の張りやむくみ、貧血、冷えに対しては良いですが、流産予防効果は期待できません。
悪阻に向けた漢方薬
9~12週はツワリがピークを迎えることが多く、そもそもツワリがツラくて漢方が飲みにくい・飲めないということもあります。
そうした状態に向け、少しでも気持ち悪さを軽減し、またなるべく早く悪阻期間を乗り越えるための漢方薬があります。
・湿痰を除去する半夏剤である「小半夏加茯苓湯」「半夏厚朴湯」
・半夏剤でありつつ、胎児への栄養補給も強める「香砂六君子湯」
・ツバが多く出て不快な場合は「理中湯」
・粉が飲みにくい場合に「旅の人参木」「ワタナベオイスター」
これらのお薬でツワリ緩和に向けて行きます。
妊娠中の風邪の漢方薬
妊娠中は風邪はひかないにこしたことはありませんが、どうしても引いてしまうこともあります。
ひいてしまった場合、妊娠中なのでいつもの風邪薬が飲めない場合、漢方薬だ!となる方も多いと思います。
しかし実は落とし穴があり、風邪で有名な漢方薬は葛根湯ですが、葛根湯に含まれる”麻黄”は妊娠中は子宮収縮を促す可能性があるため注意が必要です。
漢方であれば何でも妊娠中は安心というわけではありません。
妊娠中でも安心してお飲みいただける漢方の風邪薬は、参蘇飲、桂枝湯、麦門冬湯、小柴胡湯、旅の人参木などです。
風邪や花粉症で良く使われている小青竜湯も麻黄を含むのであまりお勧めしません。
病院で出される漢方薬
小半夏加茯苓湯や当帰芍薬散は病院でも妊娠中に処方されがちな漢方薬です。
もちろん胎児への悪影響はないですが、体質に合っているのかに関わらず出されていたり、素人判断で半夏厚朴湯を服用すると半夏厚朴湯は下に降ろす働きがあるため、流産に気をつけなければいけません。
妊娠中はとてもデリケートなので、自己判断で飲まず、ぜひご相談ください。
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青森の平成堂薬局 漢方相談薬剤師 櫻井 大輔











