平成堂薬局 7月営業スケジュール 青森の漢方薬局
2025年06月30日

例年時期を過ぎてから書けばよかったと思う”土用の丑の日”。やっと今年、事前に書くことができました。というわけで土用の丑の日について書きます。
皆さん、”土用の丑の日”といえば”ウナギ”を思い浮かべるでしょう。ですが実は別に土用の丑の日に食べるものがウナギと決まっているものでもないのです。さらに、土用の丑の日は7月中旬~下旬だけではなく、春夏秋冬それぞれのタイミングであるんです。にも関わらず、7月とウナギをイメージする人が大半でしょう。

まず『土用』ってなに?という人が多いと思いますが、実は「土」は漢方でもなじみの深い五行思想(木火土金水)から来ています。臓腑と季節を絡めると木→肝→春、火→心→夏、金→肺→秋、水→腎→冬という意味合いを持ちます。すると土→脾は季節がない?と思われがちですが、季節の変わり目を繋いでいるのが土→脾というわけです。つまり春と夏、夏と秋、秋と冬、冬と春の間に”土用”は存在します。
そして「丑の日」は、十二支の”丑”です。1年ごとに干支が変わることを知らない人はいないと思いますが、昔の時刻を表現する時に「丑の刻」などという表現を聞いたことはないでしょうか。十二支は時刻毎にも移り変わり、さらに日毎にも移り変わります。つまり各季節の変わり目のちょうど丑の日に当たる日が土用の丑の日というわけです。
そしてなぜウナギを食べるのか、というと、上に土→脾と書きましたが、脾は胃腸を意味します。季節の変わり目は胃腸が弱り、体調へ影響しやすい時期であるため、胃腸をケアした食事を採ろうという時期なわけです。
丑にちなんでか、頭文字が「う」の食べ物を食すと縁起が良く、また7月中頃以降は暑さのピークで夏バテしやすいため、それに備え体力をつける「ウナギ」が定番化したわけです(大きくは企業努力の賜物だと思いますが)。
ウナギを食べて、精をつけましょう。
ただしウナギは胃腸が元気だとよいのですが、弱っている時は胃腸の負担になることもあります。
食欲が落ちてしまっている時は素麺を薬味と一緒に食べ、胃腸の負担をかけすぎないように過ごしましょう。
青森の漢方相談薬局 平成堂薬局 櫻井 大輔