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不妊治療費の自己負担分を全額補助/青森県(全国初)
2024年06月18日
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先日、最新の日本の出生率が1.20と発表された。
過去最低値であり、少子化がさらなる少子化を生む悪循環。
当薬局も少しでも出生率を上げ少子化が緩和するために子宝漢方相談を広く受け付けていることもあり、漢方相談の中でも一番数が多いご相談は子宝漢方相談だ。
そんな中、『不妊治療費の自己負担分を全額補助/青森県(全国初)』のニュースが流れてきた。
簡単にまとめると、今は保険で3割負担(個人差はあるが1回の採卵&移植で10~20万程度)は払わないといけなかったが、その3割分は青森県が助成するので実質無料で体外受精・顕微授精ができる、といった内容。
少子化問題を解決するにおいて、これほどの朗報はないと言っていいくらいの朗報と思ったので、はしゃぐ気持ちを抑えず、また推敲する時間もないので相談時間の合間合間に思いのままに書きなぐらさせていただく。
そんな中、『不妊治療費の自己負担分を全額補助/青森県(全国初)』のニュースが流れてきた。
簡単にまとめると、今は保険で3割負担(個人差はあるが1回の採卵&移植で10~20万程度)は払わないといけなかったが、その3割分は青森県が助成するので実質無料で体外受精・顕微授精ができる、といった内容。
少子化問題を解決するにおいて、これほどの朗報はないと言っていいくらいの朗報と思ったので、はしゃぐ気持ちを抑えず、また推敲する時間もないので相談時間の合間合間に思いのままに書きなぐらさせていただく。
漢方相談において母体としては赤ちゃんを育める良い体内環境を整えられたとしても、精子と卵子が出逢うところまでは手助けできない。
精子と卵子さえ出逢える状況を作り上げられるのは、やはり体外受精・顕微授精だ。
ヒトの力で精子・卵子を取り出して出逢わせるのだから、人工授精などと比べ物にならない受精率が得られる。
しかし、そうした体外受精・顕微授精を行えない大きな要因が”高額な費用”だ。
タイミング法・人工授精は保険で月1~2万円ほどがほとんどだが、体外受精となるだけで1回10万円以上に跳ね上がる。
しかも1回で授かる割合は3割程度で、人によっては10回したとしても授かるとも限らない。
いつ結果が出るともわからないものに10万円以上毎月支払う苦しさ、不安は得も言われぬものだろう。
2022年4月から体外受精も保険適用となった。
100%支払いで50~60万円の出費が保険適用により10~20万円程度に抑えられるようになったことは見栄えは良いが、実質は元々50~60万の費用に30万円ほどの助成金が出ていたため、「保険適用!」と銘打つほど大きな出費に変わりはなかった。
しかし今回はその3割分をも助成してくれる。実質無料。これはかなり大きいのではないか?
子宝漢方相談をしている身としては、漢方薬も体外受精ほどとは言わないが、決して安くはない費用と期間がかかる。
これまでも身体作りを頑張っていたが、体外受精に進むと同時に費用面の問題で漢方薬への出費が難しくなり、身体作りを中断するケースが何度かあった。
さきほど、子宝漢方による身体作りがとても良い状態までできたとしても精子卵子の受精までは支援できないと書いたが、逆も然り。
今まで不妊治療の中でも最高度医療である体外受精・顕微授精を何度も行ってきていても、授かれていない人もたくさんいる。
受精できたら命が産まれてくるわけではなく、赤ちゃんを育むための身体の状態を維持した中で良好な受精卵が体内に戻ってくることが望ましい。
”受精”も大事だが、”受精卵の質”そして”母体の状態”もこの世に命が生まれ、育む上でとても大切なこと。
体外受精・顕微授精において費用がかからない、という状態になったのであれば、漢方などでしっかりと母体を整えることに目を向ける方も増え、もちろんそれは産まれてくる赤ちゃんが増えることにも繋がるだろう。
また、細かい所では青森県在住であれば県外の病院・クリニックでの体外受精も助成されるとのこと。
色んな理由で県外で不妊治療されている方を隔てるわけではないようなので、その点も安心した。
ただ、43歳以上となると助成はなく完全実費なことは変わらない。
当薬局としては43歳以上の方からのご相談を受けることもあり、状態が整ってきているにもかかわらず、高額な体外受精費に苦慮し、断念するケースも体験している。
あの方たちは費用の問題なく体外受精していたら生まれた命があったのではないか。
40歳を超えると妊娠率も低下し、妊娠したとしても流産率もとても高まってしまう。
流産しなくてもダウン症などの障害を持って産まれるリスクも高まる。かけがえのない命を費用で表すのは良いこととは言えないが、どうしても費用対効果として43歳以上の方に向けて助成しても見合った出生数の上昇は難しいという現実は、仕事柄重々承知している。
気持ちの問題だけで税金の使い道を決めることももちろん勧めているわけではないが、なんともやるせない気持ちになることはある。
脱線してきているので話を戻すが、今回の実質無償化の懸念としては、タイミング法や人工授精などの自己負担の方が上回る逆転現象が起きる。
そうすると、お金もかからないし妊娠率も高いしと、体外受精を望む人がドッと増えることが予想され、現状において予想される体外受精数に関しての費用は準備しているようだが、絶対にそれを上回る数が助成を伴う体外受精・顕微授精を望むだろう。
そうすると準備した金額内で助成するのであれば、助成される数に”早い者勝ち”なる不公平な状況が生まれる懸念と、1~2年前にあったように体外受精を望む人が多すぎて体外受精用の薬の在庫不足となったり、体外受精の予約が数ヶ月先になる可能性があると危惧している。
時間に余裕のある方ならまだ良いが、費用よりも時間の方が大切な人が今回の助成により大切な時間を奪われてしまわないかということも大きな懸念となる。
またもう一点。
漢方薬での身体作りを支援している身特有の考え方だと思うが、体外受精・顕微授精は採卵して精子に出逢わせるという視点はあまり問題と考えていないが、採卵する前段階で卵巣を刺激する時に、過度な刺激は卵巣に無理をさせてしまう恐れがある。
タイミング法や人工授精ではお金がかかり、体外受精ならお金がかからないので、と言ったような安易な費用対効果を優先することで、必要以上に卵巣刺激をし、逆に赤ちゃんから遠ざかるという事態が発生しないことを祈るばかり。
ただ、良いことは良い。
批判をしているのではなく、満遍なく子供を望んでいる人たちにとって良い結果に繋がればと思うし、もし数に限りのある女性だとしても、元々なかったものを行うことで産まれる命はそこにはある。
”異次元の少子化対策”
という言葉の割に日本という国からは明確に良い流れが生まれているな、とは感じないが、正直青森に住む私にとっては今の市長・知事になってそれこそ”異次元の少子化対策”に取り組んでいることを多々感じている。
それはもちろん、今回の不妊治療に関する費用だけでなく、
・2歳児以下の保育料も無償(現在は有償で令和6年10月から無償化の予定)
・修学旅行費助成
・給食費無償化
などの産まれてからの支援も青森市で計画されていることなど、1つ1つは大きくないことでも積み重なりの中で実質負担がかなり軽減することに繋がっていくと思う。
国の”3人産んだ場合だが大学費用も助成してくれる”という話は、3人目が成人になったら~ということや今産まれた場合、今の政権が保たれている可能性も怪しく10年以上先の保証はできているのか?という何とも要領を得ない見栄えだけの制度に落ち着くのか、その時になると多大な恩恵を受ける形になるのか、いずれにしても不妊治療~育児に関しての費用がかなり補填される期待がある。
そして何より今回のことは青森限定の話だが、これを皮切りに他の都道府県などの各自治体でも同様の助成を行うと予想できる。
青森だけが少子化問題改善すれば良いのではなく日本全体が良くなれば良い。
またほとんどの先進国も同様に出生率は下がる一方なので、こういったことの積み重ねが全体を好転させる起爆剤となるように願うばかり。
漢方でカラダ作りを支援するものとして赤ちゃんが育める機会が増えることはとても望ましいことだが、その延長線上に”日本”という国が衰退しない子供も大人も明るい未来に繋がるために今があると信じたい。