妊娠7ヶ月目(24~27週目)の母体と胎児の変化と漢方薬
2026年09月11日
妊娠中の母体と胎児の変化のまとめリンク

目次
妊娠7ヶ月目の妊婦
この頃にはほとんどの方が”妊娠している”とわかるほどにお腹が膨らんできます。
膨らみ方が丸っこいと女の子、尖っていると男の子と言われることがありますが、完全ではないものの漢方相談を通してみている限りはその傾向はあるように思います。
また妊娠中の症状と性別に関しては、ツワリの強さも結構関わっていることが多いように思っています。
わりと軽めだと男の子、重めだと女の子のことが多く、漢方相談を通してのツワリの軽重では7~8割くらいそれで性別が当たっています。
決して確実な方法ではないので、あまり口にはしませんが。
しかし、そういった楽しみ方も増えきて、また胎動も盛んになり、妊婦さん以外の人がお腹に手を当てても動いているのが分かるほどになります。
自分だけでなく夫や家族、友人と一緒にお腹の赤ちゃんの命の輝きを分かち合えるでしょう。
2人目以上であると、子供がお腹を触ってビックリしている姿などはとても可愛いらしいです。

この妊娠24週を超えてくると、特に不安定な時期に入るわけではありませんが、逆子や早産リスクを軽減する為に定期健診の頻度が4週ごとから2週ごとになるでしょう。
検診頻度も増えることで、7ヶ月目辺りでは多くの赤ちゃんの性別が判明してきます。
性別が分かると、名前を考える楽しみが現実的になってきます。
自分だけで考える、夫婦で考える、家族で考えるなど、いろんな形があると思いますが、ペット感覚で名前を付けたり、一時の勢いだけで決めないようにしましょう。
頑張って考えたとしても、名前を決める側の悩みはせいぜい数ヶ月ほどですが、名前を与えられた側は一生背負うものとなるのですから。
責めたように書いてしまいましたが、その子のことを真剣に考え抜いた名前は親が子に与えるプレゼントの中で、何よりも大きなものとなるでしょう。

そんな胎動や性別判明の楽しさの裏で、妊娠後期に差し掛かる頃には妊婦を苦しめる不快症状も増えてきます。
妊娠7ヶ月目の母体への負担
赤ちゃんが大きく成長すると、血流量が増加し心臓負荷が高まります。
運動不足により心肺機能が弱い方は、その負荷が動悸・息苦しさとして現れてきます。
また、漢方では「妊活=腎の活性化」と言っているように、妊娠時は赤ちゃんの成長のために腎がフル稼働しており、その為、本来の腎の働きである水分代謝機能が低下してしまうことでむくみ、頻尿、こむら返り、タンパク尿などを引き起こし、血圧や血糖値の調節機能も狂うことで妊娠高血圧、妊娠糖尿病などを引き起こすこともあります。

妊娠高血圧や妊娠糖尿病は、自覚症状もなかったり、また妊娠前はむしろ低血圧・低血糖の人でも急に発症することがあります。
大体は妊娠後期のみに見られ、産後は落ち着くことが多いですが、妊娠中のそれらの負担は赤ちゃんの成長にも影響する為、注意が必要です。
普段できることでは、食事での塩分、糖分、また水分の摂り過ぎに注意して腎機能への負担を軽減し、また腎機能を補助する漢方薬により、予防していくことが大切です。
また、子宮拡大や胎動による胃腸への圧迫から来る不快感や、それに伴う食欲不振、吐き気、便秘などの症状も出てきます。
お腹が出てくると背や腰は反る形となる為、背部痛や腰痛が発症・悪化し、お腹の圧迫感により睡眠障害を起こすこともあります。

お腹が大きくなることでの身体の負担は、トコちゃんベルトのような姿勢を支えるベルトなどで負担を軽減できるので、是非利用してください。
急激な皮膚の伸びは妊娠線の原因になりやすく、また線が出るほどでなくても伸ばされた皮膚が過敏になり痒みを生むことも多くなります。
妊娠5ヶ月頃から出産までは保湿ケアを欠かさないようにしましょう。
お腹はもちろんですが、胸・太もも・お尻なども急激に成長する場合もあるので、忘れずにケアしましょう。

妊娠7ヶ月目の胎児の成長
27週目の赤ちゃんは、身長が35cm、体重は1000gほどにも成長します。
30cm&1000gの大台超えにはなかなかの成長を感じることでしょう。

大きさだけでなく、神経の発達も著しく、腕や足などの大きい部位だけでなく、手の指などの細かい部位を動かせるようになってきます。
目は12週目からまぶたができてからはずっと閉じている状態でしたが、27週目辺りではそのまぶたも上下に分かれ、開けることが出来るようになります。
長いまばたきが終わったばかりですので視力はかなり弱いですが、光に反応したり眼球を動かすことも出来るようになります。
聴力もしっかりとしてきて、話しかけると胎動で返事をすることも多くなるでしょう。
これは偶然ではなく、聴覚や視覚からの情報を処理する脳波も働き始めているためです。
鼻が通り、肺も完成してくるため、肺呼吸の練習をし始める頃でもあります。
皮膚には産毛が生え揃い、また皮膚表面はお猿さんのようにシワが深く多い状態です。
味覚は羊水を飲むことを繰り返して徐々に発達しており、内臓や体の大きさだけでなく、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚のゴレンジャーもしっかりと育っているのです。

逆子
妊娠7ヶ月目は胎児の活動がピークを迎える時期であるため、1日の中でも体勢が大きく変化します。
8ヶ月以上になると、身体を動かす機能は成長しますが、大きくなりすぎて母体では窮屈になり、姿勢が固定されていきます。
つまり、大きくなるに従って、徐々に生まれる時の体勢が決まってくるのです。
出産時は頭部から生まれることが安産に繋がりますが、胎児、もしくは母体に何らかの要因があると、胎児が子宮口に頭を向けていない体勢で固定されてしまう場合があります。
これを一般に”逆子”と言いますね。

「逆さ」という言葉が入っていますが、必ずしも真逆なわけでなく、横を向いていたり斜めを向いていたりすることもあり、正常な姿勢以外のものは全て”逆子”と表現します。
逆子がもたらすリスク
逆子は母体にいる限りは、赤ちゃんに負担がかかることはほとんどありません。
妊婦側では胎児の足の方向によっては蹴りが母の内臓へのダメージとなり、苦しくなることはあると思いますが、それは逆子でなくても起こり得ることなので、特に問題にはなりません。
逆子が一番の負担になるのは出産です。
母体にいる間、胎児はへその緒からの酸素の取り込み・二酸化炭素の排出を行っていますが、産まれた瞬間、呼吸方法は自身の肺呼吸に切り替わります。
「オギャアーー!!」

その第一声で肺がしっかりと働き始めるのです。
ですが、逆子での出産は、へその緒が先に出てしまうことで酸素が送れなくなったのにもかかわらず頭部はまだ母体内であるため、呼吸が出来ない状態となり、酸欠を引き起こしやすくなります。
このように逆子での出産はかなり危険であるため、ほとんどは帝王切開分娩となります。
現在では医療技術が著しく発展したことで、帝王切開することで命を失うリスクはほとんどありません。
しかし、帝王切開分娩は、お腹にメスを入れるため、産後に痕が残ったり、術後の痛みが尾を引いてしまうことがあります。

また次の子を望んだ時には不妊の要因となりやすくなったり(手術による瘀血生成)、妊娠出来ても流産や早産リスクが高まることや、帝王切開経験のある方が次の出産で普通分娩をした場合、出産のためにいきんだ圧力が帝王切開痕に響くとそこから破裂に繋がるリスクもあります。
それを避けるために、2回目以降の出産も帝王切開分娩が推奨され、また手術痕ができ、身体への負担は強まります・・・
出来れば逆子は避けることで、通常の分娩が出来るに越したことはないので、胎児がまだまだ元気に動ける妊娠7ヶ月ほどから逆子リスクを下げるように心がけることが大切となるでしょう。
逆子リスクを下げるための漢方薬は次の段落で書きますね。
24~27週目の漢方薬
24~27週は胎動が強いくらいになってきて、嬉しい胎動も人によっては少しツラくなることもあります。
ただ、これからは余裕が出た分母体側が無意識に無理をしてしまうなどもあり、また血流も赤ちゃんが大きくなるごとに良い血流であることが求められます。
1度でも流産を経験した方や35歳以上の方の妊娠では早産予防することが大切でしょう。
早産予防は安胎効果から段々と胎児の発育を促す補腎薬や血行改善を促す補血剤、そして赤ちゃんが大きくなることで子宮頸管が短くなったりお腹の張りが強くなり早産傾向になることもあるので、それに対応した漢方薬へ移行していくことが私の考えです。
逆子予防の漢方薬
逆子は母体の足元の冷えが強いと胎児が頭をしたにしていたくなくなると言われており、つまり足元を温めると良いでしょう。
漢方薬では八味丸(八味地黄丸)などが足元を温めるの代表ですが、牡丹皮の配合が妊娠中では懸念されることもあるので、苓姜朮甘湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯などで温めると良いでしょう。
また、お腹が張っていて柔軟性に乏しい場合、赤ちゃんが逆子になってから正常に戻ろうとした時になかなか戻りにくいということもあります。
足元の冷えを去るとともにお子宮の筋肉の柔軟性を高める芍薬甘草湯や当帰芍薬散、建中湯などを使用すると良いでしょう。
また、逆子の場合は鍼灸で温めることも良く、「至陰」という足の小指横のところにお灸をしてあげるとクルッと逆子が治ることも多々あります。
早産予防の漢方薬
・補腎・安胎効果が高く流産予防となる「奶参」から「子羊袋」や「婦宝三膠」
・血の漏れを防ぎ赤ちゃんを守る「芎帰膠艾湯」「帰脾湯」から補血効果を高める「四物湯」「当帰芍薬散」「婦人宝」「連珠飲」
・お腹の張りには「桂枝加芍薬湯」「建中湯類」「芍薬甘草湯」
・子宮頸管が短くなっている場合には「補中益気湯」
などを中心に、状態に合わせ考えます。
流産予防効果が100%とは言えませんが、西洋薬では流産予防するお薬は今のところないため、漢方薬での安胎効果や昇堤効果、止血効果で胎児を守ると良いでしょう。
3回の流産を経験してから当薬局へ漢方相談し、授かられた方の臨床例↓
病院では妊娠中に当帰芍薬散が出ることが多いですが、妊娠中のお腹の張りやむくみ、貧血、冷えに対しては良いですが、流産予防効果は期待できません。
その他の症状に対しての漢方薬
他はそれぞれその方が訴える症状も多く分岐しますので、それに合わせた漢方薬となります。
例えば妊娠初期~中期は尿意が頻繁となり、夜間尿も増える方が多いです。
その場合は「苓姜朮甘湯」
貧血や疲労感が強い場合には「人参養栄湯」「十全大補湯」「婦人宝」
頭痛には「香蘇散」
下痢には「半夏瀉心湯」
など、状態に合わせて対応します。
なお、妊娠中は便秘にもなりやすいですが、↑に書いた「小建中湯」の膠飴などで多少排便が促されることもありますが、一番多用されがちな大黄系の漢方薬は胎児へも影響し得るので私は使いません。
それよりも酸化マグネシウムをお勧めしています。
妊娠中の風邪の漢方薬
妊娠中は風邪はひかないにこしたことはありませんが、どうしても引いてしまうこともあります。
ひいてしまった場合、妊娠中なのでいつもの風邪薬が飲めない場合、漢方薬だ!となる方も多いと思います。
しかし実は落とし穴があり、風邪で有名な漢方薬は葛根湯ですが、葛根湯に含まれる”麻黄”は妊娠中は子宮収縮を促す可能性があるため注意が必要です。
漢方であれば何でも妊娠中は安心というわけではありません。
妊娠中でも安心してお飲みいただける漢方の風邪薬は、参蘇飲、桂枝湯、麦門冬湯、小柴胡湯、旅の人参木などです。
風邪や花粉症で良く使われている小青竜湯も麻黄を含むのであまりお勧めしません。
妊活や不妊治療で困った経験を子に引き継がないために
だんだん身体や内臓も成長し、産後の体質形成にも大事な期間となっています。
例えば食が細かったり、疲れやすかったり、アトピーや喘息などのアレルギー体質だったり、胎児の内に身体を強くしておくと産後も病気に強い元気な子として生まれてくれます。
それに何より、不妊治療で困った経験がある場合、精子の元気のなさや月経不順や妊娠しにくさなども赤ちゃんの内に腎(生殖機能)を高めておくと同じように困ることが無くなるでしょう。
漢方は予防医学が真骨頂。
妊娠中の流産予防もそうですが、産後の病気に振り回されないお子様を授かるという一生の財産もこの時期に築くお手伝いが可能です。
ブログをお読みいただき
ありがとうございます

このブログを読んだことが
赤ちゃんとの出逢いへ繋がれば幸いです
また、私の言葉が心に届き
ブログ以上に私の力が必要と感じましたら
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青森の平成堂薬局 漢方相談薬剤師 櫻井 大輔




