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日常的な水分摂取について
2023年10月03日
漢方相談していると”日常的な水分摂取量”についてのご質問を受けることが多いです。
例えば「1日2リットル以上の水を飲もう」という健康法が一時期流行りました。特に若い女性からは今でもその健康法を耳にすることもありますが、個人的にこれは間違いであると伝えたいです。
1日の水分排泄量は小便から1000~1500ml、大便から100~200ml、不感蒸泄(呼気や皮膚からの自然に排出される水分)で700~900ml、汗で100mlほどで大体2~2.5lの水分排泄が生じています。もちろんそれぞれ個人差がありますが。
「2リットル以上水分を消耗するからその分水分を摂ろう」というわけで”1日2リットル水分摂取健康法”が唱えられたわけで一見これは正解に感じますが、実は違うんです。
まず、いつもの食事にはかなり水分が含まれています。もちろん食べ物にもよりますが、大まかに1リットル前後は朝昼晩食事を食べるだけで水分を摂取しています。また、その食事をエネルギーに変える時にも水が200~300ml程産まれます(食事+O2→CO2+H2O+代謝物、このH2Oが200~300ml)。
なので、他で飲む水分は1リットル前後が理想ということが理屈です。ここに2リットルほどの水分を入れる形になると、基本は小便大便が増えることで調整されるので、下痢や頻尿になるか、代謝できない水はむくみや冷えの原因になってしまいます。
日本は蒸し暑さで有名ですし、湿度の高さは皆さん日々体感していることでしょう。蒸し暑いところでは不感蒸泄という体感できない水分代謝量が落ちているので、日本は水毒(湿邪)を抱えやすい国なんです。それなのに水分を飲めば良いと楽な方法に促されて水毒になってきた人をたくさん見てきています。
水分の摂り方を増やすことが悪いとは言いませんが、そうなのであれば「運動して汗から水分代謝する」「便秘の場合は腸内環境を整え排便から水分を排出する」「味濃い食事を控える(塩分を減らす)」などのことを行いながら自分に適した水分量を見つけるべきだと思います。
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