お知らせ
舌痛症の漢方相談
2026年08月27日
(7分で読めます。専門度★★★★)

目次
「舌痛症は陰虚が多い」の真意
舌痛症に対する各処方を説明する上で、舌痛症の原因の多くは陰虚であり、実火の原因は少ないとしているが、それは日本人であることを前提とした考え方。
中国人は声が大きい等からもわかるように陽が強い性質を持ち、食べ物も中国や韓国は日本より辛い物をとてもよく好むなどで陰虚ベースより火邪ベースであることが多いと予想される。
中国人や韓国人の舌痛症を相談した例がないということもあるが、日本人の舌痛症の相談に乗っている限りはほとんどが陰虚ベースなので、そう表現している。
日本人でも辛い物ばかり食べていたら火邪ベースの舌痛症になる可能性はもちろんある。
柴胡剤はあまり使わない
舌痛症→知覚異常と考え、自律神経に向けた疎肝理気剤を使用することもあるようだが、個人的には加味逍遙散や柴朴湯などの柴胡剤は陰虚を助長させる可能性があるため、あまり使わない。
過去にも肝鬱化火していると思われたり、舌の痛みが舌の左右の淵が中心で「肝」にあたる部位と判断し疎肝理気剤を使用したが、痛みの緩和はあまりなく渇きが強まる例が何度か経験したということもある。
舌の痛む部位を基とした弁証
上の図のように舌は不調を生じている場所によって臓腑の不調を読み取れると言われている。
全く参考にしないわけではないが、正直前回書いたように舌は心の開竅部であり、消化器官の始まりであることの方が強く、つまり「心」と「胃」が原因であることが多く、だからと言って舌先と舌真ん中に限って症状が出やすいわけでもない。
結構左右の舌淵が痛くなることもある。
舌全体が痛いという人も多いし、その時によって痛みの場所が変わる人もいる。
なので色んな相談を受ける中で舌診の際にこの舌の場所による臓腑弁証を参考にすることはあるが、直接舌の不調をこの五臓で判断することは微妙と思う。
舌痛症の人が食べてはいけないもの
直接刺激になるかならないかに関わらず、
・香辛料が多い食べ物
・辛い食べ物
・味濃い食べ物(塩分の多い食べ物)
・お酒
はあまり良くない。
舌痛症のポイントである火邪を助長し、陰を損傷する可能性が高い食べ物だから。
そしてもちろん、ここに書かれていないものでも自分が食べた時に痛みが増すものは良くない。
舌痛症の人が食べてもいいもの・食べた方が良いもの
「食べても良い」という表現は少し語弊があるが、上記の食べない方が良いもの以外は過敏になりすぎない方が良い。
過敏になりすぎて偏りを産むことがミネラルなどの栄養バランスを崩し、食の制限が精神面の負担となり、それが巡り巡って舌症状を悪化させる可能性があるため、過敏になりすぎないことが大前提だ。
その上で良いものとしては
・はちみつなどの甘く粘調性のあるもの(もしくは甘味全般)
・蓮根、貝類、海藻類、山芋など
・黒色の食べ物(黒豆、きくらげ、黒ゴマetc)
・レモンなどの酸味のあるもの(酸味が強すぎは不可)
などだ。
まず甘味のものはベースとして陰を補う働きがある。
はちみつのように粘度が高いものは粘膜の潤いを補うことにもなる。
ただし、舌苔が多い、つまり湿痰が多く、それ故に胃熱や胃陰虚(本来の潤いが入っていかない)状態の舌痛症には甘味はあまり適さず、利湿化痰をしつつ陰を補うべき。
蓮根や病もは漢方薬でも腎を補うものとしても使われ、貝や海藻、黒い食べ物も腎を補う働きがあり、身体の潤いの根本的な腎を補う食材は結果的に舌の粘膜を強くする方向に働く。
酸味があるものは刺激があると考えられがちだが、収斂といって陰を身体から漏らさないように保つ働きがある。
もちろん酸性が強すぎると粘膜を傷める可能性があるので、はちみつレモンのように甘味で陰を補いながらと合わせ軽い酸味とした形が理想的。
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心のこもった漢方相談を 平成堂薬局 漢方相談薬剤師 櫻井 大輔





