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息子が腰椎分離症になった話2
2023年12月14日
息子が腰椎分離症になった 1話 (https://heiseidou.net/news/1158/ )
の続きです
医師「(MRI画像を見ながら)骨が折れていますね」
息子の訴えが強くなかったので、1割くらいにしか考えていなかった方の答えで少し戸惑う
私「腰椎分離症ということですか?」
医師「まぁそうなるけど、厳密には”第五腰椎椎弓疲労骨折”。背骨を支える左右の細くなっている部分の骨(椎弓)が折れているということなんだけど。5番目の背骨のところが左右とも折れてるね。」
本当のところはMRIではクッキリ折れているかどうかまではわからないんだけど、折れて炎症を起こすとMRIでは白く映る。それが第5腰椎椎弓部の左右で見られるので、左右が折れていると思われる、ということだった(はず)。
一般的な原因は運動過剰による”疲労骨折”。
小学高学年~高校生などの成長期で激しくスポーツをしてる子に多いとのこと。
医師からは「こんなに小さい子がなった例は当院では初めてかもしれない」と言われた。(当時息子は小学2年生)
とりあえず息子の訴え通り折れていることはわかったので
・専用のコルセットを作り、風呂の時以外は(寝るときも小大便時も)コルセットを外さず腰を完全に固定して過ごすこと
・運動関係のことは全て辞める。体育の授業も休むこと
・日常的な動きでは屈む動作と反る動作は厳禁(物を落としても上体は曲げずに物を取るなど)
・ランドセルなどの重いものを持つ&背負うことも極力避けること
その他細かに生活においての注意事項を指導してもらった。
少しでも腰の負担を減らすため登校時は私が校門までランドセルを持っていくようにした。
サッカークラブとヤクルトスイミングは辞めるだけなので簡単だが、学校での過ごし方はなかなか伝えるのが骨だった。
まず体育は全てお休みするように伝える。
休むといっても他の子と一緒に体育館や外には行き、待機する形となる。
しかし体育座りも腰に悪いと医師から止められているため、体育の授業中は片膝立ちみたいな慣れない姿勢でいることとなる。
ドッヂボールなど皆と一緒に運動できなかったことは精神的にツラいだろうし、他の子と違う姿勢にならなければならないこともとても可哀想だった。
さらに雑巾がけのような姿勢もダメ。給食時のみそ汁などの重いものを持つことも制限されている。
それらを伝えると担任の先生はとても理解してくれて、給食当番やお掃除当番は完全にお休みという形になった。
仕方ないし、積極的にやりたくないことではあるとはいえ、クラスメイトには負担をかけてしまったし、息子もばつが悪かったと思う。
また、コルセットは専用のものを作るために型を取るが、それは予約が必要とのことで後日予約を取る。
完成には時間がかかるので、とりあえず身体の大まかなサイズに合わせた簡易コルセットをずっと着けておくようにと言われる。
さらに運動量が落ちることで筋肉が落ちることや筋肉が硬くなる。
腰の周りの筋肉や筋が硬くなってしまうと腰にも良くないのでリハビリしていきましょう、ということになる。(リハビリというより、とても軽めなストレッチ)
腰椎分離症用のリハビリマニュアルをもらい、その中でもできるストレッチを指導してもらう。
コルセットをつけることで筋肉も落ちるので、骨に差し支えの無い筋トレもすると思っていたが、運動全般はすべり症に発展する可能性が高まってしまうのですべてダメで、筋肉が落ちるのは仕方ないということを教わる。
そこまでは理解できたが、ふとマニュアルを目にすると『腰椎分離症』の治癒率が書いてあった。
「腰椎分離症は腰の疲労骨折である」という程度の知識から、疲労骨折なら刺激しなければ大概治るだろうと思っていた。(ほぼ100%治ると思っていた)
が、マニュアルには
軽度の腰椎分離症(早期発見)で治癒率80%ほど
中程度で60~70%
完全に骨が離れている状態は重度で50%未満
より状態が悪いと治癒率が落ちるだけでなく、『すべり症』になり、スポーツへの復帰は困難で、日常的な動きの中でも痺れが出たりスムーズな歩行ができない状態にまで発展する可能性が高いと書いていた。
まじか。
軽度かな(MRIでは骨折はわかっても程度はわからないためこの時点ではわからない)
でも痛いって言いだしたのは学校のマラソン大会のために練習し始めてからで、完全にマラソン大会は走らせたし、サッカーも水泳もやらせていましたわ。もしかしてやばいのか?
こんなに元気なのに歩けなくなることもあるのか・・・?
MRIでは骨折の程度がわからないので、CTでどの程度折れているのか実際に見ましょうということになる。
ただ、CTはその整形外科には無いとのことで、他院でCTを撮ってきて、そのデータを持ち帰って受診することに。CTもMRI並みに時間かかって大変かなと思ったが、一人で入っていき5分ほどですぐに出てきた。
CTデータをもらい、担当医に見てもらうと
左右ともに”完全分離”した『第五腰椎椎弓疲労骨折』と診断される。
↑実際の写真。斧状の根本の辺りが、完全に折れて分離しているのがわかる。
完全分離ということで、さっきのマニュアルでいうところの『”重度”の腰椎分離症』
つまり、先ほどのマニュアルによると治癒率50%未満。
これだけでもクラッときたが、50%未満は左右どちらか片側だけの治癒率。
つまり左右どちらも治る可能性は50%×50%の25%未満ですよ、と言われる。
OMG
ただ、8歳などの小さい子がなる例は少ないと言われていたので、通常の可能性よりも成長が見込める時期なら骨の入れ替わりも激しく治癒率はそれよりも望めるのではないか!と医師に言うと
「むしろ小学生低学年以下になると治癒率はもっと下がる」
とズバッと言われてしまう。
完治する可能性は20%に満たないだろうということ。
8割強の可能性で生涯運動に支障がある身体になってしまう
もしくは手術が必要な身体になってしまうということらしい。
受診した整形外科ではほとんど経験のない小さい月齢の子だが、全国のデータでは現実はそのようなものということらしい
らしい・・・ らしい・・・・・・
(不定期に続きます)
漢方相談薬剤師 櫻井 大輔